2008/05/10

Glenn Gould

購入したやつは、2006/7/15 第十一版発行
装幀者 安野光雅
とあるんだけどよく知られている安野光雅氏のあーゆー絵では なかった。

ISBN: 9784480082343

著者のミッシェル・シュネデールが感じたことなのか、グールド自身がそう語っていたのか判然としない箇所があるのが気になった。
でも読んでいくうちに書かれてある内容に引き込まれた。読みながら、、、つきつめて考えちゃうと、あげくには俗世間の洪水からいかに身を守り自分の世界をいかにして保つかの示唆を含んでいて興味深い。
グールドが亡くなったとき、枕元には聖書と夏目漱石の「草枕」があったそうだ。亡くなる数ヶ月前、いとこのジェシーに「草枕」を電話で話して聞かせたそうだ。最後まで。

印象的なくだり。数カ所。
P046

語る声が重要なのであって、なにを言っているのか、どのような言い方をしているのか、言っているのが本当なのか間違ったことなのかはほとんどどうでもよい。


この発言の前後の発言の詳細がのってないので誤読している可能性が高い。声の質感やキーの高さや波長やイントネーションの切り替えなどなど、そんな中から美になりうるなにかを見つけてしまおうとする悪魔のような習慣から抜け出せなくなってしまった人のようだ、と思った。

P159

音楽は切り離す。「音楽の断片がぼくの心のなかに入り込んでくるとき、ぼくは奇妙にも自分との接触を見失ってしまい、会話や自分の周囲で起きることすべてから自分が切り離されてしまう。」...


この後に続く文章はわかりにくい。「ピアノなしを夢見る」という箇所。これは著者の勝手な憶測?それともグールドが感じていたことを言い当てている?どちらなのかよくわからない。けど強く惹かれる何かがある。グールドが発言した言葉から連想して書かれた文章にも読み取れる、、、。著者のシュネデールさんは「切り離されてしまう」という発言を捉えて「ピアノからの離脱」と受け取ったのだとしたら、それは違うじゃないかと思った。ひょっとしたら日本語がかみあってないのかもしれない。

読み終えて、
#熱心で調査好きなファンが三日三晩グールドについて熱く語る、のを静かに聞いていたかのような気持ちになった。その世界に浸れる。
#矛盾しつつも、ミュージシャンやアーティストの私生活や発言や経歴なんかにゃめもくれないし知りたいとも思わない...この態度こそが、ひとつひとつの作品に対する敬意のように思うこともあります。だから、読んだことなどすっかりすっかり忘れてどっぷりCDを聞いた方がよいな、とも思いました。

一番心に残ったところ
P062

「聴衆にとっても演奏者にとっても音楽は黙想にまで高められなきゃいけない。...


--imported_from
http://www.midore.net/daybook/2008/05/1210345200.html

+++ 追記 +++
2010-02-06
import するにあたり2年ぶりに自分の書いた文章を読み直してみて、書き直したくなった箇所がいくつかありますがこのままにしておくのもいいかなと思いました。これを怠慢といいます。

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