2011/06/27

美の構成学

美の構成学 | 三井秀樹 | 中公新書 | 978-4-12-101296-8

第一章「構成学とデザイン」は
主にバウハウスの歴史について語られ
第二章「構成学と造形」
主に構成学の歴史
第三章「造形の秩序」
黄金比、シンメトリーについて
第四章「くらしの中の構成学」
暮らしの中にある美について
第5章「新しい構成学」では
これからの構成学についてテクノロジーとの関係が述べられている。

p.123
構成学は芸術やデザインの専門家のためにだけあるのではなく、日々の生活に活かしてこそ意味があり、私たち自身がそれぞれ美意識をもち快適な生活を送るための生活美学であると位置づけて欲しい。

p.151
このようにバウハウスで確立した造形の基礎概念を柱とする構成学は、モホリ•ナギからケペッシュの視覚言語論を経て、ネグロポンテのマン•マシン•インターフェイスという人間とコンピュータの情報理論を加えた、つまり視覚の世界から視覚+情報の情報認知科学の分野へ領域が拡がってきたといえる。


本を読み終えて。
なぜ、アスファルトの色はよりによってこんな灰色なんだろうと、子供の頃真剣に思い悩んでいたことを思い出した。できたてのアスファルトの道は灰色というより黒に近い。けれど時間がたつとともに少しづつ白い絵の具を重ねて塗ったように灰色に近づいていく。そして町中がこの灰色の道におおわれている。
私はこの状態につよい不満を感じていた。なぜもっときれいな色じゃないんだろう。どうせならもっと美しい色にしてくれていたら道を歩くのはもっと楽しいのに。あるいは真っ白だったらどれだけ気持ちいいだろう。ビルや工場もそうだ。なぜ灰色なんだろう。どうせならもっときれいな色にしてくれたら町が明るくなるのに。なぜ大人は灰色が好きなんだ?
子供の私がこの疑問を口に出して大人に聞いてみることはなかった。まともに相手にされることはないだろうと思ったから。
今、私はこの疑問に対する妥当な答えを持ち合わせていない。
なぜ日本の道路でアスファルトが使われ続けているのか歴史的経緯を調べることはできたとしても...
当時の大人たちもこんなこと聞かれたらさぞかし困ったことだろう...。

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